Date:2015.5
英語で授業やゼミ発表ができるので、留学生におすすめ。人類学を専門的に学んだことがなかったけど、自分の研究や興味を活かせる!
Asli Kemiksiz さん (修士課程)
トルコからの留学生で、日本のサイエンス・フィクションについて研究しているAsli Kemiksizさん。トルコの大学で、国際関係論とカルチュアル・スタディーズを学んだあと、大阪大学の研究生を経て、人類学研究室の修士課程に入学してきました。留学生であり、人類学ではないバックグラウンドを持つ彼女に人類学研究室で学ぶことの魅力について聞きました。いまどんなことを勉強していますか?
例えば「攻殻機動隊」に出てくるロボットやアンドロイドなどの描かれ方は、ヨーロッパやアメリカのサイエンス・フィクションと大きく違います。
今は、日本のサイエンス・フィクションを読みながら、ロボットや機械がどのように表象されているかを調べています。哲学的に「人間とは何か?」を考えたときに、サイエンス・フィクションに出てくるロボットや機械は、人間を表す鏡だと思います。
サイエンス・フィクションは、未来のことを描いていると思われがちですが、実は、私たちは現在の自分たち自身をロボットや機械を通じて、思考実験をしていると思うのです。
大阪大学の人類学を選んだ理由は?
人類学を勉強する前は、もともとカルチュアル・スタディーズを学んでいました。「サイエンス・フィクションの研究を続けつつ、さらに新しい視点を身につけたい」と思っていた矢先に、STS(Science and Technology Studies=科学技術論)に出会いました。
大阪大学の人類学は、人類学もSTSも両方学ぶことができるので魅力的でした。
分野を変えたので、学ばなければいけないことが多く大変ですが、人類学研究室に来てよかったと思っています。
日本語を勉強中の留学生にとって、授業や事務手続きはやりやすいですか?
留学生にとって、人間科学研究科はおすすめです。以前学んでいた研究科では、事務や授業がほとんど日本語で、日本語がそれほどできなかった私にとっては、かなり大変でした。人間科学研究科は、授業やゼミでも、わからないことがあれば、英語で質問することができます。特に人類学では、周りに英語ができる学生や先生が多く、すぐに助けてくれます。授業やゼミでは、英語でプレゼンしても大丈夫ですし、事務とのやりとりも英語が通じます。もちろん、日本語もちゃんと勉強していますが、英語でスムーズにコミュニケーションできることは、留学生にとってとても助かります。
授業やゼミの仕方は、トルコとは少し違うので、最初戸惑いました。トルコでは、ディスカッションをして、批判的意見を言い合って理解を深めますが、日本では、先生が本の解釈や考え方を説明して、学生がメモをとるレクチャー形式が多いと感じます。
人類学研究室のいいところはどんなところですか?
人類学の先生たちは、みんなフレンドリーですし、院生室のみんなも親切で優しいです。また、人類学の院ゼミでは、レベルが高くいろいろな意見が出て面白いです。みんな研究テーマが違いますし、多様な視点やバックグランドを持っているので、とても勉強になります。現在の状況:
Asliさんはその後大学院博士後期課程に進学して、新たな研究テーマで現在博論を執筆中です。
現在は、認知ロボティクスというロボット工学の一分野に注目して、人間についてのイメージとテクロジーがいかに結びつくのかを研究しています。
Asliさんの研究はメディアからの注目を集めています。Forbes日本版やPodcastのBilingual News に取り上げられるなど、現在活躍中です。