鈴木和歌奈
すずき わかな

生命科学、人間と非人間の関係、アフェクト(情動)、ケア、フェミニストSTS、実験室研究

研究課題
抵抗と調整:再生医療の技術開発をめぐる民族誌的研究
研究関心
生命科学の実験室における知識生産とそれに伴うケアや情動
対象地域
日本
研究内容
近年、生命科学技術が飛躍的に進歩し、研究レベルでは遺伝子改変などにより、眼や肝臓など人体の一部が作り出されている。社会的注目が高まると同時に、倫理的課題も浮上している。その一方で、生命科学技術と社会の変容を捉える枠組みは十分とは言えない。そこで、本研究では、まず実験室に焦点を当て、生命を操作するということはいかなることかという問いを設定した。iPS細胞を用いた再生医療に着目し、実験室で生み出される知識が、装置や器具などのテクノロジー、実験動物などの生物、科学者たちの社会的実践や組織といかに関わっているのかを明らかにすることを試みる。生命科学研究では、細胞や実験動物を扱うため、飼育や日々の世話が重要であり、医師、科学者のみならず技術補佐員や飼育係が重要な役割を果たしている。暗黙知や愛着知といった科学論文に回収されない知識の重要性に光を当て、民族誌的記述により「生きもの」とそれに関わる多様な人間の間に生起する言語、身体、感情を分析する。
研究業績

1. 鈴木和歌奈「希望/期待から見る科学技術」、『研究 技術 計画』28巻1号、pp163-174、2013

2. 鈴木和歌奈 「iPS細胞研究初期における期待の発生―言説、物質性、実践のダイナミクス―」、『年報 科学 技術 社会』第23巻、pp1-30、2014

3. SUZUKI, Wakana “Cells between Liveliness and Instrumentality: Onomatopoeia and Care in a Japanese Stem Cell Laboratory”, NatureCulture03 (Online Journal), 2014(採録決定済)

4. 鈴木和歌奈 「関心を結びつける―ある実験室でのフィールドワークから―」、椎野若菜・福井幸太郎編『100万人のフィールドワーカーシリーズ 第6巻 マスメディアとの交話』, 2015年刊行予定

口頭発表

国際学会等における発表

(口頭発表・査読あり)

5. SUZUKI, Wakana “Patients at the Zero Point: Uncertainty and Promises in Japanese Stem Cell Research” the Society for Social Studies of Science (4S) Annual Meeting, Copenhagen Business School, Denmark (Oct 2012)

6. SUZUKI, Wakana “Care of the Cells”, PhD Workshop “Technological and Political Ontologies”, Copenhagen IT University, Denmark (Oct 2013)

7. SUZUKI, Wakana “Love or indifference? Complicated relationships between scientists and experimental animals in a Japanese laboratory” the International Union of Anthropological and Ethnological Sciences (IUAES) Inter-Congress, Makuhari Messe, Chiba, Japan (May 2014)


(口頭発表・査読なし)

8. SUZUKI, Wakana “Care of the Cells”, PhD Workshop “Acting with Nonhuman Entities: Posthumanist Explorations between Anthropology and Science Studies, Kyoto University, Kyoto, Japan (Sep 2013)

9. SUZUKI, Wakana “Knowledge, Collaboration and Location from Bench to Bedside: a Case Study of Stem Cell Laboratory in Japan”, Biannual meeting of “Bio-networking in Asia”, University of Sussex, Brighton, UK (Jan 2014)

10. SUZUKI, Wakana4 “Cells between Liveliness and Instrumentality: Onomatopoeia and Care in a Japanese Stem Cell Laboratory”, International Workshop “Experimental Systems and Intersections of Knowledge: A Dialogue between Hans-Jorg Rheinberger and Japanese Anthropology”, Kyoto University, Kyoto, Japan (April 2014)


国内学会・シンポジウム等における発表

11. 鈴木和歌奈 「日本のiPS細胞をめぐる期待の研究」 科学技術社会論学会第10回年次研究大会、京都大学、京都、2011年11月

12. 鈴木和歌奈「科学技術における未来志向性」第1回科学社会学会設立大会、東京大学、東京、2012年12月

13. 鈴木和歌奈 「網膜再生プロジェクトにおける『抵抗と適応』」47回文化人類学会研究大会、東京都立大学、東京、2013年6月

調査歴
2012-
日本:生命科学の実験室における人類学的調査
教育歴
2010~2012 大阪大学・京都大学の共同プロジェクト「市民と専門家の熟議と協業のための手法とインタフェイス組織の開発」(RISTEX)のリサーチ・アシスタント
2011~2011 京都大学生命科学研究科のティーチング・アシスタント
2012 大阪大学共通教育科目「現代社会を読み解く」シニア・ティーチング・アシスタント
2012 大阪大学共通教育科目「震災の知・復興の知」シニア・ティーチング・アシスタント
2012- 国際プロジェクト「Environmental Infrastructure」リサーチ・アシスタント
2013 大阪大学「社会における科学技術特定演習」シニア・ティーチング・アシスタント
2014 大阪大学「社会における科学技術特定演習」シニア・ティーチング・アシスタント
2014 大阪大学「人間と文化」シニア・ティーチング・アシスタント
経歴
2005.3 京都大学 総合人間学部 現代文明論 卒業
2012.3 京都大学 生命科学研究科博士前期課程 修了
2012.4 大阪大学 人間科学研究科博士後期課程 入学
研究助成 / 他
日本学術振興会特別研究員DC1(2012年度~2014年度)